耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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補聴器の種類2 −アナログかデジタルか−
補聴器の機能上の区別として、「アナログ補聴器かデジタル補聴器か」という区分けがあります。
・・・と言うと、なんだか分かったような分からないような。
いったいどういう意味なのでしょう?


アナログかデジタルか、という区別は正確には、

   1.マイクで拾った音の信号処理をそのまま扱う(アナログ)か、
     デジタル信号に変換して行うか
   2.制御装置がアナログかデジタルか

という2重の意味があるのです。

2の「制御装置の違い」というのは、従来補聴器の音量や音の出し方の調整を手動で行っていた(これをアナログと位置づける)のに対し、コンピュータープログラムを使って制御するのをデジタルと呼ぶ、という事です。

いわゆる「アナログ補聴器かデジタル補聴器か」の性能の違いに大きく寄与しているのが、1の「信号処理の違い」です。
アナログ補聴器では、普通の音の波形をそのままの形で機械の中で増幅し、耳に伝えます。
それに対しデジタル補聴器では、音の波形を一旦デジタル信号(2進数)に変換した上で、DSP(Digital Signal Processor)という回路で演算処理を行って増幅を行い、その信号を再びアナログ波形に戻して耳に伝える、という事をします。デジタル信号処理では膨大な演算でもこなせる為、理論的にはアナログに比べきめ細やかな増幅が可能となります。

この4つの組み合わせにより、以下のように補聴器を機能の面から分類できます。

制御装置
アナログ デジタル
信号処理 アナログ A.従来型 B.プログラマブル
デジタル C.デジタル D.フルデジタル

A. 従来型補聴器
いわゆる従来型の補聴器です。今は差別化の為に、アナログ補聴器と呼ばれます。機種も種類も豊富で、軽度から重度の難聴まで対応でき、現在最も普及しています。デジタル補聴器よりも低価格。
B. プログラマブル補聴器
音の信号処理自体はアナログで行っていますが、調整はパソコン上の専用プログラミングツールを用いて行うタイプです。補聴器使用者が実際に補聴器を付けた状態で調整出来るので、作業がしやすくなります。また、数通りの調整パターンを記憶させておき、状況に応じて切り替えるという事も可能となっています。
C. デジタル補聴器
内部演算処理はデジタルで行うが、機能調整は手動で、というタイプ。デジタル補聴器全般に言える事ですが、補聴器のサイズ内に各種回路を収めるのが難しく、高価になりやすいというのが欠点です。
D. フルデジタル補聴器
信号処理に加えて調整もデジタル処理するタイプ。パソコンのプログラミングツールや専用コントローラを用いて調整を行います。補聴器の周波数特性の設定の幅が広く、雑音からの会話音の抽出、子音の強調、可聴周波数帯への音声情報のシフト、ハウリングの抑制などが可能とされ、最も高機能です。しかしデジタル信号処理技術はまだ発展段階であり、現状では必ずしもアナログ補聴器よりも優れた語音聴力が得られるとは限りません。将来性が大いに期待されています。なお、補聴器としては最も高価な部類に入ります。


アナログ・デジタルそれぞれに、箱型・耳掛け型・耳穴型があります。
現在はデジタル補聴器の占める割合が3割近くになっているそうです。

実際の所、「デジタルだから良い、アナログだと悪い」と単純には言い切れません。デジタル補聴器でも、信号処理の方法や、マイク部分・スピーカー部分の仕様によっては、より安価なアナログ補聴器より性能の劣る物もあります。補聴器内部での制御がどうであれ、最終的に耳に入る音はあくまで「アナログ」です。デジタル補聴器は細かい制御をしていると言うけれど、デジタル信号処理技術自体がまだ発展途上にあるという事もあって、「使ってみると結局そう変わらなかった」という意見もあるようなのです。デジタル補聴器は高価な物が多いですから、費用対効果で見るとデジタルはむしろ劣っているのでは、という見方もあるくらいです。ただ、近年デジタル補聴器も値がこなれつつありますから、まだまだ流動的です。これぞ決定版と言える補聴器はまだ無い、というのが結論です。
結局補聴器を選ぶ際には、実際に聞き比べた結果と値段との兼ね合いを見ながら自分で選ぶ、という基本を守るしかないのです。


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