耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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耳掃除の道具

耳掃除をする際の道具には、どのような物があるのでしょうか。
耳鼻科の医院などでは、医師が肉眼ないし顕微鏡下で耳掃除をする事を前提に、ピンセット型の鉗子などで耳垢をつかみ取ったり、微細な吸引器で耳垢を吸い取ったり、といったケースがほとんどです。

この場では一般家庭用の耳掃除の道具を、主に機能面から見てみる事にします。

 竹の耳かき
耳かき、と言ったらまずこの竹の耳かきを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。竹を加工してヘラ状の先端とし、耳垢を掻き出す物です。木製の物もありますし、様々な大きさ・形の物が出回っています。
反対側の柄の部分には、綿が付いている物や装飾品が付いている物など、多岐に渡ります。民芸品として様々な耳かきをコレクションの対象としている人も多いようです。
このタイプの変形版として、透明の樹脂製の先端にライトを付け、中を照らしながら耳掃除出来る、というタイプなどもあります。他人の手で耳掃除をしてもらう事を前提とした品ですね。

この系統の耳かきの問題は、比較的固い素材で出来ている為、外耳道や鼓膜を傷つけてしまう場合がある、という点です。耳掃除中についうっかり耳かきを奥に入れすぎたり、子供の耳掃除をしている時に相手が急に動いたり、あるいは周囲の子供やペットがぶつかってきて手元が狂ったり、で耳が傷つき耳鼻科を受診される方が時々いらっしゃいます。

 綿棒
同じく耳掃除に使われるポピュラーな道具として、綿棒があります。竹の耳かきに比べて柔らかく、耳を傷つける可能性が低いのがメリットです。乾燥耳垢の場合、綿棒をベビーオイルなどで少し濡らして使うと、刺激も少なく耳垢も上手に取れるでしょう。風呂上がりに綿棒で耳の入り口近くを撫でる様にしてお掃除するのが安全です。
綿棒の欠点ですが、一般で市販されている物は太めの物が多く、相対的に耳の穴に対して大きすぎる事です(その分安全性が高いという事も言えるのですが)。ある程度耳垢が溜まった時点で綿棒を使うと、かえって耳垢を奥に押し込めてしまう場合があるのです。そうなると前述の病気「耳垢栓塞」になってしまいますし、その後綿棒のみで耳垢を取りきるのは難しくなります。
写真は市販されている一般的な綿棒と、医院などで使われる医療用の細身の綿棒とを並べた物です。先端の大きさがかなり違うのがお解り頂けるでしょう。医療用の物は医師が顕微鏡下に用いる事を前提としています。一般の方が自分で耳掃除を行う場合には、細い綿棒をブラインドで使う時には奥まで入れすぎないよう、注意が必要です。。

 ワイヤー製の耳かき
最近アイデアショップやインターネット上での通信販売などで手に入る耳掃除の道具で主流となっているのが、この手のワイヤー製の耳かきです。
ワイヤーの滑らかな先端は刺激も少なく、またワイヤー自体が適度にたわんでくれるので、皮膚を傷つける可能性は低くてすみそうです。特に外耳道の皮膚に張り付いた耳垢を取る時などには効果を発揮します。写真のようにワイヤーの数に1〜3本とバリエーションがあり、耳垢の乾・湿に合わせて使い分けると良い、と制作者は謳っています。
ただ、横幅が多少広いので耳の穴の狭い方や子供にはやや使いにくいかな、という印象でした。

 ワイヤー製の耳かき2
同じワイヤー製の耳かきでも、上のようなスパイラル型の物もあります。外耳道にこの耳かきを入れれば、特に手で持ち替えを行わなくても全方位の耳掃除が出来ますし、目の細かいワイヤーですので細かい耳垢を取りきるのに便利でしょう。先端が尖らないような気配りもなされていて、耳を傷つける可能性は一層低いように思います。
ただ、一旦耳垢が多く溜まってしまった場合には、綿棒と同様耳垢を奥に詰め込んでしまう可能性がありますから注意が必要です。

 その他の道具
かつて、外国製の変わった耳掃除グッズが話題となった事がありました。円錐形の紙の筒を耳の穴に差し込み、一カ所に火を付けて待つ事しばし。筒を取ってみると中にゴッソリと取れた耳垢が詰まっている、という商品でしたが・・・ 
実際は取れた耳垢と思っていた物は、そのグッズの中にあらかじめ含まれていたロウに過ぎず、耳垢は全く取れてはいませんでした。それ所かロウの一部が外耳道に張り付いてしまってその後の耳掃除に大変難儀した、という様なトラブルが続出して、廃れてしまいました。
目新しい物が皆良い物とは限らない、という好例ですね。


ディスカウントショップなどで、小型の扇風機を逆にしたような形の、電動で耳垢を吸い出すという機械も販売されています。残念ながら未体験です。
乾電池程度の出力で吸い出せるような耳垢であれば、普通の竹の耳かきでも軽く掻き出せるのではないかと思いますし、逆にもし高出力の機械であったなら、下手に使うと鼓膜などを傷つけることに繋がるのでは、と効果に疑問を持っています。


また通信販売などでは、ファイバースコープタイプの耳かきというのも売られているようです。樹脂製の透明の耳かきにファイバースコープが付いており、実際に自分の目で耳の穴の中を見ながらお掃除出来る、というのが売りです。
値段が1〜2万円と耳かきとしては高価で、私は自分で試してみようという気にはなりませんでした。周りにもこのタイプの器具を持っている方がいないので、実際の使い心地は不明です。ただ、医療用のファイバースコープを使っている身としては、あの値段で充分に明るい光源付きの視認性の高いファイバースコープが作れるとはちょっと思えないのですが。


耳掃除の道具というのも、御覧頂いたように沢山あるようですね。
自分と相性のいい道具を試行錯誤で探し出し、あとは程々にお掃除をする、決して深追いしない、というのが結論になると思います。


参考 
   耳のそうじは本当に必要なの? 日本耳鼻咽喉科学会静岡県地方部会作成



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