耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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インフルエンザの予防
インフルエンザに関して色々と書いてきましたが、やはり病気には罹らないに越した事はありません。一番大切なのは予防対策でしょう。

インフルエンザは咳・くしゃみによる飛沫感染で人から人へ伝播します。予防は、インフルエンザの流行がマスコミを賑わせるようになったら、まず人の密集するような所を避けるという事から始まります。外出時にマスクを着用するのも良いでしょう。不幸にしてインフルエンザに罹ってしまった時にも、周囲の人にうつさない為にマスクをするというのが、社会全体で見た上での予防策となります。
またインフルエンザウィルスは石けんで容易に失活します。月並みですが、手洗い・うがいの励行というのはやはり基本となります。
空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下しますから、のどに潤いを与えるようにする事も大事です。屋内では加湿器を、屋外ではやはりマスクの利用がお薦めです。
普段からバランスの良い栄養と、休養・睡眠を十分に取り、体力や免疫力を高めておく事が大事なのは言うまでもありません。


あとは何かと話題の
インフルエンザワクチンになります。
インフルエンザウィルスは抗原の変異を頻繁に起こしますし、またワクチンの効果持続時間も約4ヶ月位と短い為、ワクチンは毎年の接種が必要となります。
ワクチンは雌鳥の受精卵を利用して大量生産しますが、新種のウィルスが検出されてからワクチンを作り始めても市場に出回るまでに約半年かかります。シーズンが始まってから作り始めるのでは事実上間に合いません。従ってWHOの推奨を元に製薬会社が翌年の流行株を予測して作りますから、ワクチン完成品と実際の流行株は完全に一致しない事もあります。
ワクチンをうてば100%インフルエンザを予防できるという訳ではなく、ワクチン株と実際の流行株が一致した場合で大体発症の70〜90%を押さえる、といった成績のようです。もっとも5歳以下の小児や高齢者ではそれよりも低率になってしまうようです。その為、13歳くらいまでの小児では2回接種を行うべきという意見が多数を占めています。
老人ホームなどでワクチンを集団接種した場合、発病防止効果は時に30〜40%と低くなる事もありますが、肺炎化と入院を防止する効果は50〜60%、死亡を防止する効果は80%あるとも言われており、重傷化を防ぐという点でやはり有用と考えられています。

ここで気になってくるのがワクチンの副作用です。どのような物があるのでしょうか。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですから、接種してもそれでインフルエンザになるという事はありません。しかし、注射部位の発赤・腫脹といった局所反応が出る事はあるようです。他、発熱・倦怠感・筋肉痛などの報告例もあります。
一部、重篤な副作用として「ギラン・バレー症候群」という物が報告されています。四肢の運動・知覚麻痺を来します。詳しい発症メカニズムは解っておりませんが、発生頻度は極めてまれなようです。

なお、このワクチンは発育鶏卵を利用して作られている関係で、卵の成分がワクチンの中に残り、それによるアレルギー症状が起こる事もありえます。近年は高度に精製されてワクチン中の卵の成分は極わずかであり、軽い卵アレルギーの方であればほとんど問題にはならないようです。しかし重篤な卵アレルギーのある方、卵成分でショックを起こした事がある方は、ワクチン接種を受けるか否か、かかりつけの医師と十分に相談した方が良いでしょう。

インフルエンザワクチンは、通常は生後6ヶ月未満の乳児には接種を行いません。乳児はまだ免疫を獲得する力が充分でない為、ワクチンをうっても効果があまり期待出来ないからです。
妊婦に対する接種は、判断の難しい所です。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、胎児に悪影響が出る事はまず無いと考えられますが、妊娠初期は様々な理由で自然流産する可能性が高い時期ですから、一般的に予防接種は避けた方が良いとされています。
出産後、授乳中の女性の場合ですが、母乳を通して子供に悪影響が出る事はないですから、安心して接種を受けて頂いて結構です。
一方、男性の方ですが、ワクチン接種による精子への悪影響の報告もありませんので、妊娠希望のカップルでも男性の予防接種に問題は無いようです。


日本でのインフルエンザワクチンの接種は、1962年に勧奨接種として出発し、1967年からは義務接種にもなりました。しかし、当時の世論はこのワクチンの集団接種の意義に疑問符を付け、学童への接種は保護者の同意を要するように変わりました。そして1994年より任意個別接種となってからは、摂取率は低下の一途を辿ってきました。これに伴いワクチンの製造量も減りました。

しかし近年インフルエンザによる死亡者数の増加やインフルエンザ脳症の報告が増えるにつれ、ワクチンの有用性が見直されてきました。
インフルエンザによる重症合併症はワクチン接種者には見られないとも言われている事から、欧米各国では高齢者を中心としたハイリスクグループへのワクチン接種が推奨されて来ています。日本でもインフルエンザワクチン接種のメリットはデメリットを上回る、という考えが広まり、近年接種希望者が増え続けているというのが現状です。

皆さんも以上の事を踏まえて頂いた上で、ワクチン接種を受けるか否か、検討してみては如何でしょうか。
 

余談ですが、現在アメリカでは「
弱毒生ワクチン」という物が開発中です。現在の不活化ワクチンに比べ乳幼児での有効性が高く、また注射でなく鼻腔内に噴霧すれば済む、という点でメリットが多いようです。いずれは日本にも導入される日が来るかもしれません。


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