<清水おかべクリニック>
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インフルエンザは、RNAウィルスの一種「インフルエンザウィルス」によって起きる病気です。
このウィルスにはA・B・Cの3種類あり、このうちC型は病原性が弱く問題になる事は少ないようです。流行する事があるのはA・B型で、特にA型は時に世界的な大流行(パンデミー)を来す事で有名です。
インフルエンザウィルスは、ヒト・トリ・ブタ等に感染を起こします。通常は例えばトリのインフルエンザは、ヒトには感染したりはしません。しかし、インフルエンザのやっかいな所に、「様々な生き物の間を行き来する内にウイルスの形が変化する」というのがあります。それまで流行していたヒトインフルエンザウィルスと、動物インフルエンザウィルスの間での遺伝子交雑で抗原性の変化(ドリフト、シフト)が起き、それまでヒトには感染しなかった型のインフルエンザウィルスが突然新型のウィルスに変化し、ヒトにも危害を加え始める事があるのです。そのような新型ウィルスに対する免疫力をヒトが備えるようになるには時間がかかります。かくして新型ウィルスが世界的大流行を起こし、多くの人命を奪ってきた、というのが過去の歴史から推測されています。
2003年冬からトリインフルエンザに対して各国が厳重な監視・対応策を取っているのも、ヒトに感染する新型ウィルスの発生によるパンデミーを警戒しての事なのです。1918年のスペインかぜでは、当時の世界人口約20億人の内、2〜4,000万人が死亡したと言われています。現在は人口密度が当時の3倍を超えていますし、世界各地を結ぶ航空網も整備されています。新型の強毒性インフルエンザウイルスによるパンデミーがもし起きたとしたら、全世界で5億人もの死亡者が出る、という試算もあるようです。
ちなみに新型ウィルスの発生源は大抵が中国起源なのだそうです。インフルエンザウィルスはトリ・ブタ・ヒトの間を駆けめぐる間に変異を起こして新型が生まれる訳ですが、「食は中華にあり」の中国の市場には生のトリ・ブタ・そしてヒトが大量に集まります。その最たる場所が広東料理の本場「香港」という訳です。かくしてホンコンA型インフルエンザが誕生しては世界に広まる、というパターンが多いようです。
こんな話を聞いたら中華料理を食べたくなくなるかもしれませんね。
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