<清水おかべクリニック>
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インフルエンザは「流行性感冒」と言われる事もある、冬に爆発的な流行を起こす事で知られる呼吸器系の疾患です。
紀元前412年には、ヒポクラテスがインフルエンザと推定される病気の事を既に報告しています。記録の残る範囲内では、インフルエンザの流行と推定される物は12世紀頃から記載があります。日本でも14世紀頃に成立したとされる歴史書「増鏡」に、流行性の感冒の話が出てきます。
14〜15世紀のヨーロッパにおいては、この病気は流れ星の接近による影響(Influences)で生ずる現象と考えられていました。その為、インフルエンザ Influenzaという名で呼ばれるようになったようです。
世界的な流行例として一番有名なのが、1918年の「スペインかぜ」。全世界で6億人がかぜをひき、約2〜4千万人が亡くなったとの事。日本でもこの時2500万人が罹患し、35〜40万人が亡くなったと言われています。
第一次世界大戦でドイツが負けた最大原因は、西部戦線のドイツ軍兵士達がこのかぜでボロボロになってしまい、戦線が崩壊した事だそうです。対するアメリカ軍も、戦死者12万4000人のうち実に8割がインフルエンザで亡くなったのだそうです。一次大戦というと、戦車・潜水艦・戦闘機・毒ガスといった近代兵器が初めて活用された戦争というイメージが強いのですが、実は最も人命を奪い戦争終結の立て役者となったのが、他でもないこのインフルエンザという病気だったのです。
インフルエンザは1933年に初めてウィルスが分離され、その正体が見えてきました。しかしその後も世界的大流行は
1957年 アジアかぜ
1968年 香港かぜ
1977年 ソ連かぜ
と間隔を置いて繰り返され、現在に至るのです。
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