<清水おかべクリニック>
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「2011年度のスギ花粉は、大量飛散になる」
昨年度からずっと言われてきた事ですが、先週末ついに現実の物となりました。
昨日2月26日(土)、当院は患者さんで溢れかえり、各患者さんの受付から会計終了までの所要時間が平常時の数倍になってしまいました。
当院は土曜は午前診のみなのですが、終了したのは午後6時と、大幅に超過せざるを得ませんでした。
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私は、花粉症の最盛期に病院にかかるのは、
「ゴールデンウィーク(GW)の日中に、高速道路を使って行楽に出掛ける」
のと同じようなものだ、と思います。
「GWは滅多にない長い休み。せっかくの好機だから遊びに行きたい。家族で移動するなら、車で高速使って行くのが一番面倒が無く安上がりでもある」
そう考える人が多いのでしょうか、GWの高速道路はそこかしこで渋滞だらけで、「低速道路」に名前を変えるべきじゃないのか、などと思う時もあります。
車の渋滞に巻き込まれて嬉しい、という人はいないでしょう。
かといって、道路公団の人に文句を言っても仕方ありません。公団の方も前々から渋滞予測を出したり、車の流れがスムーズになるよう工夫されているとは思いますが、それでも「高速を利用する車の絶対数が爆発的に増えてしまう」という現実を消し去る事は出来ません。
ユーザーとしては、渋滞しそうにない時間帯を選んで高速に乗るか、渋滞するのを最初から覚悟の上で利用するか、あるいはいっその事行楽を諦めて家でノンビリするか、といった選択を自分でせざるを得ないと思います。 |
今年のように花粉が爆発的に飛ぶと、これまで花粉症では無かった方が急に発症するケースも多く見られます。寝耳に水で急に花粉症になった方が、慌てて医療機関を受診するのは、致し方ない事でしょう。
しかし、元々花粉症があるのが解っている方は、今年のように前々から「花粉が大量に飛ぶ」と再三警告されている場合には、やはり早めに対策をとるべきでしょう。
花粉飛散の1〜2週間前からお薬を使っておくと、いざ花粉が飛んだ時にもそれほどきつい症状にはならずに済みますし、手元にお薬があれば慌てて医療機関を受診する必要も無いでしょうから。
花粉症をお持ちの方が、備えをせずにいきなり今年のような大量の花粉を浴びると、強烈な症状に見舞われて酷い目にあうのは至極当然の結果です。
そして慌てて医療機関を受診すると、同じような方々が殺到した結果、病医院の受付がパンクします。
一度に数十人が診察券を受付に出される。問診票を書いて貰ったり保険証を確認したりといった手続きを皆にして貰わなくてはなりません。初診の方は特に時間が掛かります。
患者さんも大変でしょうが、病医院受付の負担の方も相当な物なのです。
受付に「自分の順番はあとどの位か」という質問を一人の患者さんがされると、周りの方々も皆聞きたくなります。その対応に職員が追われてしまうと、受付や会計などの事務処理が滞ってしまうので、結局患者さん全員の待ち時間が延びる事になります。
「取り敢えず受付の手続きだけ取って、家に帰ってしまう」という方もいらっしゃいます。これだけ混むとしょうがないとは思います。しかし、そういう方が頃合いを見計らって又医院に出向いてくれると良いのですが、中にはそのまま音沙汰の無い場合もあります。受付事務員は、診察の迫った患者さんが待合にいるのかいないのかの確認に追われます。待合に現れない患者さんは仕方なく後回しにし、現にその場にいる方を診察室に呼び入れる事になりますが、また唐突に受付済の方がフラッと現れる、といった調子で更に混乱に拍車が掛かります。
ようやく診察室に入って頂いても、そこでゆっくり医師と話をして頂く訳にもいきません。何しろ次に100数十人の人が待っており、まだかまだかと殺気立っているのですから。
必然的に、必要最低限の会話で治療内容を決める、という次第になってしまいます。
「花粉症の最盛期に、医療機関に掛かる」というのは、そういう事です。
医療機関単独の努力で、「花粉症患者さんの絶対数が爆発的に増えてしまう」という現実を消し去る事は出来ません。
混乱を最小限に留める為には、患者さん方の協力が必要です。
「花粉症はあるが、長い待ち時間は嫌だ」という方は、やはり花粉症が本格的にシーズン入りする前から分散して来院して頂き、予防治療を始めて頂くのが色々な点で望ましいと思います。
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