耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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医者の不養生 鼻出血編
12月、ある土曜日の朝。
寝床から起き上がって着替えなどを出していると、ツーッと右の鼻から垂れる物が。
寒いからな。鼻水でも出てきたか・・・。
と、見てみると真っ赤。
あっ、鼻血だ。

別に吹き出すほどの量ではないけれども、ポタポタと続けて垂れてくる。

まずは圧迫。鼻血のほとんどは鼻中隔粘膜の先端近く(キーセルバッハ部位)から出るので、小鼻の部分を指で左右から圧迫してやると、大抵の鼻血は止まる筈なのです。この時寝てはいけません。上体を起こしたまま、ややうつむき気味で安静を保ちます。

5分ほど抑えた後で、もう良いだろうかと外してみると・・・ おやおや、まだポタポタと垂れて来るではありませんか。
仕方ない。不本意ながら右の鼻にティッシュを丸めて詰めると、取り敢えず止血しました。(この方法は出来れば避けた方が良。ティッシュを抜く時にまた傷が開いて血が出てしまう場合があるから。)
後は職場に行って、自分で診察してみるしかないな。

医院について、周りに器具を揃えてから鼻に詰めたティッシュを取る。すぐさまポタポタと出血。結構勢いがあります。

漫画の『ブラックジャック』で主人公は、鏡を見ながら自分で自分の開腹手術をしてました。
普段毎日のように鼻血の止血をしている私です。自分の鼻血くらい止められぬ訳があるまい、と鏡を覗き込んでみました。

しかしこれが・・・ 見えないんですね意外と。
鏡で自分の鼻を見ている訳ですから、あまり近づけすぎる訳にもいかない。左手で鼻鏡を用いて自分の鼻の穴を広げ(端から見ると馬鹿みたいですが)、出血点を確かめようとはするのですが、ライトの光も鼻の奥までうまく入ってくれないは、タラタラと血も流れっぱなしで右手も血を吸引するのが精一杯だわで、どうにも出血点を突き止められません。
血の勢いからすると多分電気凝固で出血点を焼きつぶす必要がありそうですが、こう見えなくては話になりません。

診察業務の時間も迫っていたので、自力での根治は諦め、鼻腔内にガーゼを詰めて一時止血しました。仕事が終わった後で他のドクターに見て貰おうと、友人の耳鼻科医に電話で相談、午後に受診させて貰う事としました。

私はいつも診察中にマスクを付けていますから、マスクを鼻孔が隠れるよう心持ち上に掛けるようにすれば、外見上は普段通りの私にしか見えません。
患者さんもまさか自分の目の前の医者が鼻血の治療中だったとは気づかなかったでしょう。

仕事を終え、友人の医院を受診。出血点はキーゼルバッハではなく、鼻腔底であったそうです。道理で単純な圧迫のみでは止まらなかった訳です。麻酔のガーゼをしばらく入れた後で電気凝固。それで一発で治ってしまいました。

止まらない鼻血というのはやはり鬱陶しい物です。それが一度の治療で収まってくれるというのは本当にありがたい。
自分が行う鼻出血の止血も、かくありたいものですね。

止血してくれたドクターには、「耳鼻科の医者の鼻血を止めたのは、これが初めてですよ」と言われました。(*^_^*)




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