耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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補聴器相談医研修会に参加して
12月4日、第1回の静岡県耳鼻咽喉科補聴器相談医研修会に参加してきました。

耳鼻科の医者というともちろん耳の専門家である筈な訳ですが、今の日本では「補聴器」という物に対しては、残念ながら全耳鼻科医が強い関わり合いを持てている訳ではありません。かく言う私自身も、今までは「病気の治療」の方面に重点を置いてきましたので、恥ずかしながら補聴器の実際の運用面に関する知識はかなり不足していると常々感じていました。その私にとっては大変為になる会でありました。

浜松医大講師の岩崎先生からは、日本での補聴器販売の問題点のお話がありました。
補聴器が日本などより普及している欧米では、補聴器を選択する際、耳鼻咽喉科の医師が必ず関わって適切な補聴器の斡旋に努める、という所が多いようです。さながら今の日本の眼科医とコンタクトレンズの関係のように、です。
しかし、今の日本では必ずしも耳鼻科の医師と補聴器業者との間に連携が取れていません。それでちゃんと適正な補聴器が、しかるべき方のもとに行くようになっていれば良いのですが、現状はそうなっていないようです。補聴器の販売は現状野放しになっており、一部に良心的な業者さんは確かにいる物の、半分詐欺まがいの乱売をしている悪徳業者というのも存在しているようなのです。
「補聴器相談会」と名うって大々的に広告を出し、気軽な気持ちで会場に赴いたお年寄りに、「耳の型を取ったのだからもう買ってもらわなくては困る」と数十万円もするような高価な補聴器を売りつける。本当に補聴器の必要な人かどうかの判定もそこそこに。そして、アフターフォローはいいかげん。
それって、今流行りのオレオレ詐欺とそう変わらないな、と思ってしまいます。手口は変わっても、お年寄りを食い物にするような業者は今も昔もいる。許せないですね。私自身もこれまでに患者さんから「どこそこの補聴器屋で、外国製の1個40万円の補聴器を買わされたが、全然うまく聞こえない。文句を言っても、店は取り合ってくれない」というような話を聞いたのは一度や二度ではありません。そうした業者が幅を利かせているという現状を、何とか変えて欲しい、変えたい、と思います。

帝京大教授の小寺先生のお話では、
「最近はデジタル補聴器もだいぶ値がこなれてきた。2004年現在で、耳掛け型で8〜9万円、耳穴型で13〜14万円の物を選べば、お年寄りで補聴器が必要な方の8割以上はカバー出来る。20万円以上するような高価な物は、特別雑音などが多い環境での補聴器使用が必要な一部の方にとっては有用だろうが、多くのご老人にとっては不必要な物。適正な価格の補聴器を売るよう、業者を指導して行かなくてはならない。また、補聴器の性能には限界もあるのだから、難聴者の周囲の人の理解と協力が必要であるという事をまた広めて行かなくてはならない」という事が主旨であったように思います。

私も耳の専門家の端くれとして、もっと補聴器の現状について知識を仕入れ、補聴器がちゃんと適正に販売され、使われる様、努めて行きたいと思います。


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